杉戸町にあるヤマザキライス様との意見交換会レポート

1. 視察概要

杉戸町にあるヤマザキライス様との意見交換会に参加しました。

ヤマザキライス様は、鈴木農林水産大臣が「乾田直播(かんでんちょくは)」の取り組みを視察に訪れた農業法人です。今回の意見交換会では、その乾田直播を中心に、山崎代表より先進的な稲作技術や、これからの地域農業のあり方についてお話を伺いました。

ヤマザキライス様では、GPS、自動操舵、ドローン、AI、衛星データなどを活用し、経験や勘だけに頼らない農業経営を進めています。農業者の高齢化や担い手不足が進む中で、限られた人員で農地を守っていくための取り組みとして、大変参考になる内容でした。

2. 乾田直播について

今回の中心テーマである乾田直播とは、乾いた田んぼに直接種をまく稲作技術です。

従来の稲作では、育苗、代かき、田植えなど多くの作業が必要ですが、乾田直播ではこれらの工程を減らすことができます。そのため、労力やコストの削減につながり、春先に集中する作業を分散できる点が大きな特徴です。

3. 技術の特徴と可能性

山崎代表からは、乾田直播は「水を使わない農業」ではなく、「水を大切に使う農業」であるとの説明がありました。

必要な時に必要な量の水を入れることで、稲を育てながら水の使用量を抑えることができます。用水施設の老朽化や水管理の負担が課題となる中で、今後注目すべき技術だと感じました。

また、種もみにはバイオスティミュラントと呼ばれる資材を活用し、発芽や根張りを助ける工夫もされています。こうした新しい資材やデジタル技術を組み合わせることで、安定した栽培につなげている点が印象的でした。

4. 期待される効果

乾田直播には、主に次のような効果が期待されます。

・育苗や田植え作業の省力化
・生産コストの削減
・水管理の負担軽減
・農地の大規模化への対応
・若手農業者や企業参入の後押し
・メタンガス削減など環境面での効果

特に、農業者が減少していく中で、少人数でも広い農地を管理できる仕組みづくりは、地域農業にとって重要な課題です。

5. 課題

一方で、乾田直播を進める上では、雑草管理や水管理など、従来の水田栽培とは異なる注意点があります。

特に雑草管理については、水を張らない期間があるため、発生する雑草の種類や除草のタイミングが重要になります。ただし、山崎代表からは、除草剤の使い方や散布時期についての管理方法が整理されてきており、AIや衛星データなども活用しながら、適切に対応できる仕組みづくりが進んでいるとの説明がありました。

また、水管理についても「水を使わない」のではなく、必要な時に必要な量を入れることが大切であり、適切に管理することで収量や品質の安定につながるとのことでした。連作障害や生態系への影響についても、通常の水田栽培とのローテーションや土壌分析、生物多様性の調査などにより、課題を把握しながら対応しているとの説明がありました。乾田直播は、管理を誤れば課題が出る技術である一方、正しい知識と管理方法を組み合わせることで、十分に実用化が進められる技術であると感じました。

6. 所感

今回の意見交換会を通じて、農業の現場が大きく変わりつつあることを実感しました。これまで培われてきた農業の経験や技術を大切にしながら、新しい取り組みについても学び、地域に合った形で活用していくことが重要です。

乾田直播は、すべての農地に一律で導入するものではありませんが、担い手不足、コスト高、水管理、環境対応といった課題に対する有力な選択肢の一つだと感じました。今後も、農業者、行政、関係団体が連携し、地域の農地を守るための現実的な仕組みづくりを考えていく必要があります。

山崎代表をはじめ、関係者の皆様に貴重なお時間をいただき、感謝申し上げます。