利根川栗橋流域水防事務組合議会 視察研修報告(令和8年10月28日(水)~29日(木))

令和8年10月28日・29日の2日間、利根川栗橋流域水防事務組合議会の視察研修に参加しました。

私は幸手市議会から選出され、同組合の議員を務めています。今回の研修では、新潟県三条市の「ミズベリング三条・三条市水防学習館」、燕市の「信濃川大河津資料館」、埼玉県羽生市の「河川防災ステーション」を訪問。水害への備えを、体験学習、治水施設、活動拠点というそれぞれの視点から学びました。

三条市水防学習館視察(新潟県三条市)

三条市では、三条市水防学習館を視察しました。

水辺を日常的に楽しむ場所と、水害について学ぶ場所が身近にあることは、防災に関心を持つきっかけにもなります。三条市水防学習館では、浸水の深さや避難場所など、地域の水害リスクについて学ぶことができます。

今回、特に印象に残ったのが降雨体験です。雨の強さが変わると、視界や音の聞こえ方も大きく変わります。体験装置では、毎時20ミリの雨でも周囲の音が聞き取りにくく、雨の中で情報を伝えたり、声を掛け合ったりする難しさを実感しました。

雨量を数字として知っていることと、その状況で自分がどう動けるかは別の問題です。雨が強まってからの移動には難しさがあることを、体験を通じて理解できました。

また、防災用品についても、備えておくだけでなく、実際に使って扱いやすさや限界を確認することが大切だと感じました。子どもから大人まで、自分のこととして考えられる防災学習の意義を改めて認識しました。

信濃川大河津資料館視察(新潟県燕市)

信濃川大河津資料館では、繰り返される水害と向き合ってきた地域の歴史、大河津分水の役割、改修事業について学びました。

大河津分水は、信濃川の洪水を日本海へ流し、越後平野を水害から守るために造られた人工の放水路です。大正11年に通水を開始し、地域の暮らしや農業を支えてきました。

川の流れを分け、安全に海へ導く。その言葉だけでは伝わらないほど、地形や地質、水の勢いを相手にする工事には、多くの困難があります。説明を伺い、現地を見ることで、その規模と技術の積み重ねを感じました。

私は治水施設の研修に参加するたび、人の叡智のすごさに圧倒されます。自然の力を理解しようと研究を重ね、失敗や災害の教訓を次の技術につなげてきた。その積み重ねが、私たちの暮らしを支えています。

大河津分水では、洪水を流す能力を高めるため、河口部の拡幅や施設の更新を進める改修事業が行われています。治水は施設を完成させて終わるものではなく、その後も点検や維持管理、必要な改修を続けていくものだと学びました。

上新郷河川防災ステーション視察(埼玉県羽生市)

河川防災ステーションでは、水害時の活動を支える拠点について学びました。

災害時に必要となる資機材や人員を、必要な場所へ円滑に届けるためには、平常時からの準備が欠かせません。施設や資機材の整備に加え、誰が、どのように使い、関係機関がどう連携するのかまで確認しておく必要があります。

水防活動の現場を支える備えと、それを機能させる訓練や連携を一体で考えることの大切さを感じました。

視察研修を通じて・・・

今回の研修を通じて、治水施設の整備・維持管理、水防活動の体制づくり、住民一人ひとりの備えを、それぞれにつなげて考える必要があると感じました。

幸手市でも、河川の増水への備えに加え、大雨によって身近な道路などが冠水する問題があります。私自身、本年9月の大雨では市内の冠水現場を確認し、排水や通行の安全確保の重要性を改めて感じました。

大河津分水のような大規模な治水事業と、市内の排水対策では規模も条件も異なります。それでも、地形や水の流れを把握し、施設の能力や管理状況を確認しながら対策を積み重ねるという視点は共通しています。

今回の学びを、河川や排水施設の状況確認、冠水対策、防災情報の伝え方など、今後の議会活動や地域での活動につなげていきます。

研修にご対応いただいた皆様に、心より感謝申し上げます。